注染と和晒の起こり
 和晒業は江戸時代初めに、堺の毛穴(けな)地域を中心に起こりました。
 その理由のひとつは石津川の水質と、和晒に必要な水と光や干すための広い土地などの自然条件に恵まれていたことです。
 また、当地域が木綿の産地であった河内地域と大阪の問屋への流通経路の中間に位置していたことも、その理由のひとつです。
 そして第二次世界大戦後、大阪市内の染色業者が、良質な水を求めて和晒の産地である堺に移転してきたことによって、注染・和晒が共に成長発展していったのです。
注染とは
 明治時代後半、大阪で始められた染色法です。注いで染めるという技法のことを注染といいます。
 表裏が同じように染められていて、プリントにはない色合いや濃淡のぼかしがあり、独特のはんなりとした優しさを持っています。使うたびに色が少しずつ変化し、さらに風合いがよくなってきます。

1.糊を付ける
 あらかじめ精練・漂白し、余分な糊や汚れを洗い流して乾燥させておいた和晒を、台に乗せます。
 その生地の上に型紙を乗せ、上からヘラで糊をつけます。染めない部分に染料が入るのを防ぐ役割をします。
 3〜4反の布を約1mごとに折り畳みながらの作業のため、糊の量、糊の乗せ方、力の入れ具合、折り方など、職人さんの技量が問われる、大変難しい作業です。
2.土手をつくる
 それぞれの柄を染め分けるために、柄の周りに糊を置いて、土手を作っていきます。
 糊を置いた部分は染まらずに、白地のままとなります。正確にしないと、にじんだり色ムラができてしまうので、細かい柄ほど慎重にしなければなりません。
3.染料を流す
 それぞれの土手の中に、ひとつひとつ染料をたっぷり注ぎ込んでいきます。
 3〜4反分が重なっているので、染料の通りをよくするために、下から真空ポンプで勢いよく一気に吸引します。
 そしてその生地を裏返し、また同じように土手を作り、染めていきます。これが注染の特徴です。職人さんたちの優れた技術とセンスにより、注染独特の風合いが出てきます。
4.洗う
 染め終わったら、余分な染料と糊を落とすため、生地を水洗いします。
 昔は川の水流で流していましたが、公害問題なども考慮し、今は工場の中で、水洗機にかけ、勢いよく洗い流しています。
5.干す
 しっかりと水洗いした生地を、遠心分離機で脱水し、長いまま上から吊るします。
 室内の乾燥設備または天日で乾かします。天日の場合、天候によって乾かないこともあるので、生産量にも関わってしまい、なかなか大変です。
6.巻き取る
 乾いたら、整理工場へ搬送するための準備作業が行なわれます。
 その後、整理工場に入り、しわ伸ばし等がされ、手ぬぐいが旅立っていきます。

「注染・和晒紀行」サイト内に掲載されている記事、画像等の無断転載を禁じます。
お問合わせはofto@skyblue.ocn.ne.jpまで
大阪織物卸商業組合